<<日次分析ファイルを利用して特定の銘柄を検索する>>
「08.日次分析」で、日次分析ファイルの作成方法と一覧表示機能をご説明しました。この章ではいよいよ「わらしべ」の銘柄検索機能をご説明します。毎日何千銘柄もの銘柄が異なった動きをしており、この中から自分の意図する銘柄を探し出すのは並大抵ではありません。「わらしべ」では登録全銘柄から簡単な条件指定で一瞬のうちに銘柄検索が可能です。まずは、最近元気良く値上がりしている銘柄を検索してみましょう。
(注)日次分析ファイルが作成されていることが前提になります。作成方法は、「08.日次分析」をご覧ください。
<<日次分析ファイルを指定する>>
「08.日次分析」と同様に、ファイルメニューから日次分析ファイルを指定します。
<<条件の指定>>
「分析」メニューから「銘柄抽出実行...」を選択します。値上がり銘柄の検索例として、13週移動平均線と26週移動平均線の乖離率(二線乖離といいます)を利用してみます。通常上昇銘柄では、13週移動平均線が26週移動平均線より上に位置しており、この乖離率(二線乖離)が大きいほど急激に値上がりしている銘柄となります。
とりあえず、深く考えずに検索パラメータを設定してみます。13週移動平均線を基準としますので、まず移動平均線の期間変更ボタンを押して、ボタンの表示を「13週線」にします。
次に「二線乖離ボタン」を押して乖離率を設定します。
下図の様に下限に「20」を上限に「99」を入力します。これだけの設定で、二線乖離率が、20%〜99%(99%という銘柄は滅多にありませんので、20%以上と解釈してください)の条件指定が完了します。「OK」ボタンを押して条件を設定します。
条件表示欄(ウィンドウ下4分の1)に条件が設定されました。後は「追加抽出」ボタンを押すだけです。
検索中のダイアログが表示されて検索結果が「対象数」として表示されます。
<<検索された銘柄を見てみましょう>>
さて、どのような銘柄が検索対象となったのか、チャートで確認てみましょう。検索された銘柄は「分析」メニューの「分析結果−銘柄別(日足)または(週足)」の一覧で確認できます。今回は週足ベースですので、「分析結果−銘柄別(週足)」を選択します。
分析結果ウィンドウが表示されたら「コマンド」+「Z」キーを押します。検索された最初の銘柄に一覧が移動します。検索対象となった銘柄は、ピンクの反転表示になっています。この行をダブルクリックすると該当銘柄のチャートが表示されます。
いかがですか。元気な右肩上がりチャートが表示されていますね。チャートが表示された状態でさらに、「コマンド」+「Z」キーを押すと、次の検索銘柄が表示されます。この様に「わらしべ」の検索機能では、チャートブックをめくるように次々と対象銘柄だけを表示していくことが可能です。
また、「複数結果チャート表示...」を選択すれば、抽出済みの銘柄を一括でチャート表示可能です。
<<二線乖離の検索結果>>
今回の条件で検索したチャートは、大体以下の様な形になっていると思います。株価チャートとは、株価の動きを分かりやすく形に表したもので、なれてくると一瞬で特徴を見ることができるようになります。この様な図形の認識は人間の目には簡単なのですが人間には4000銘柄全てを毎日確認することはできません。逆にコンピュータは4000銘柄を一瞬で検索できるのですが、詳細な形の認識というのは不得意です。
そこで、「わらしべ」では、人間とコンピュータがそれぞれ得意分野で補い合って銘柄を検索することになります。つまり、コンピュータが各種指標で荒削りをし、絞り込まれた銘柄を人間が最終チェックするという運用になります。
注)この銘柄が今後も上昇を続ける保証はありません。また、買いを推賞するものでもありません。実際の投資はご自分の判断でお願いします。
<<その他>>
今回使用した二線乖離の他に、V3.99で追加した売買高の検索機能も使ってみると面白いと思います。売買高は、終値に出来高を掛け合わせたもので、各銘柄の取引額を表します。最近よく動いている株価の高い銘柄は、当然出来高が少なくなりますので、出来高で検索すると検索対象から漏れてしまいます。
売買高を200億円〜99999億円として検索すると面白いと思います。是非おためしください。(注)一度検索した後に、「銘柄抽出条件設定」ウィンドウで「追加抽出」ボタンを押すと、今回の検索結果が前回の検索結果に追加されます。今回の条件だけで検索したい場合は、「抽出クリア」ボタンを押して対象数を0にしてから再度「追加抽出」ボタンを押してください。「再抽出」ボタンは、現在抽出されている銘柄に対して、更に今回の条件で検索を行う場合に使用します。
<<銘柄抽出条件設定画面の機能一覧>>
<<表題>> 条件名 保存した条件ファイルを読み込んだ場合には、ファイル名が表示されます。それ以外は、「抽出条件(新規)」と表示されています。条件を保存する場合は、ファイルメニューの抽出条件保存で名前を指定し保存します。 作成日 条件を作成した日が表示されます。新規の場合は、本日の日付がセットされます。 買い条件
パラメータ以下の条件が買いタイミングを検索する条件の場合に指定します。
初期値は「買い条件パラメータ」になっています。また、ボタンを押すことで「売り条件パラメータ」(売りタイミングを検索する条件)に変更できます。複数検索および検証機能を活用するためには、当パラメータの指定が必須です。<<4本値・出来高>> 日足 日足、週足のどちらを使用するかを指定します。週足の場合は以下の説明の前日を前週と考えてください。 始値 始値の範囲を指定します。例えば、始値が450円のものは450円〜450円と指定します。 高値 始値と同様です。 安値 始値と同様です。 終値 始値と同様です。 出来高 出来高を千株単位で範囲指定します。 売買高 終値*出来高(簡易売買額)を範囲指定します。 株価前日比 前日比を+−%で指定します。たとえは−15〜−10%です。+は特に入力する必要ありません。5〜15% 株価増減率 株価前日比を前日終値で割った増減の割合です。 出来高前比 出来高の前日比を指定します。 出来高増率 出来高前比を前日出来高で割った増減の割合です。 <<移動平均線>> n日線 どの平均日数を使用するかを指定します。ボタンを押すごとに5日−>25日−>75日−>5週−>13週−>26週−>5日と変わります。 移動平均線 移動平均株価を範囲指定します。 平均線傾斜 過去3日間の移動平均線の動きを指定します。罫線イメージが入力ウィンドウに表示されますので、選択してください。 株価クロス 移動平均線と株価の位置関係を指定します。平均線と株価のイメージが入力ウインドウに表示されますので、選択してください。このとき、2日分のローソク足がイメージに表示されていますが、ポイントは終値の位置と平均線の位置関係であり、始値、終値の上下および移動平均線の傾きは関係ありません。 平均線クロス 2本の移動平均線の位置関係を指定します。罫線イメージが入力ウィンドウに表示されますので、選択してください。罫線の傾きは関係ありません。 乖離率 移動平均線からの終値の乖離率を範囲で指定します。 乖離線傾斜 乖離率の罫線の傾きを指定します。罫線イメージが入力ウィンドウに表示されますので、選択してください。 二線乖離 任意の2本の移動平均線の乖離率を指定します。 出来高平均 平均出来高を範囲で指定します。千株単位です。 出来高傾斜 出来高の移動平均線の傾斜を指定します。 出来高乖離 出来高平均線と出来高の乖離を指定します。乖離の最小は-100%、最大は99999%と指定してください。 <<RSI>> n日線 どの日数を使用するかを指定します。ボタンを押すごとに9日−>13日−>42日−>5週−>13週−>26週−>9日と変わります。 RSI RSIを0から100%で指定します。 RSI傾斜 RSIチャートの傾きを指定します。罫線イメージが入力ウィンドウに表示されますので、選択してください。 RSIクロス 2本のRSIの位置関係を指定します。罫線イメージが入力ウィンドウに表示されますので、選択してください。罫線の傾きは関係ありません。 <<RCI>> n日線 どの日数を使用するかを指定します。ボタンを押すごとに9日−>13日−>5週−>13週−>26週−>9日と変わります。 RCI RCIを−100から100%で指定します。 RCI傾斜 RCIチャートの傾きを指定します。罫線イメージが入力ウィンドウに表示されますので、選択してください。 RCIクロス 2本のRCIの位置関係を指定します。罫線イメージが入力ウィンドウに表示されますので、選択してください。罫線の傾きは関係ありません。 <<指定条件表示エリア>> 上記で指定した条件が、表示されます。条件は最大10個まで指定できます。すべて、「かつ(AND)」条件になります。たとえば、条件が3個あった場合には、3個の条件すべてを満たす銘柄が抽出されます。 <<条件削除>> 条件削除 条件表示の内選択した条件を1つだけ削除します。 全削除 指定しているすべての条件を削除します。 <<条件抽出の実行>>
{ファイルメニュー・分析結果ファイル指定で、単独日の日次分析結果ファイルを指定した場合}追加抽出実行 指定した条件で、検索します。以前に条件検索を行っている場合は、その検索結果に、今回の検索結果が追加になります。 再抽出実行 前回抽出した銘柄の内、更に今回の条件に該当する銘柄を抽出します。 <<条件抽出の実行>>
{ファイルメニュー・分析結果ファイル指定で、日次分析 一括指定ファイルを指定した場合}複数抽出実行 指定した条件で、複数日の日次分析ファイルを一括検索します。 複数抽出+検証 上記の抽出に続いて、検証も行います。 <<件数表示>> 対象数 今現在で抽出されている銘柄数を表示します。 抽出クリア 今までの抽出をすべてクリアします。
<<入門解説はここまでです>>
ここまでのご説明で、「わらしべ」を利用した株価分析の概要がご理解いただけたと思います。さて、これからどうするのかという疑問が残るかと思います。実は株式投資の手段は、長期投資か短期投資か、投資資金はどの程度かなど、千差万別、人によって色々です。肝心なことは自分の投資スタンスを早く確立することです。「わらしべ」で表示できる各種指標のどれを使うかも当然投資スタンスにより異なります。
幸い、昔に比べて株式投資の解説書は豊富に出版されるようになりました。入門書からプロ向けのチャート解説まで色々です。「わらしべ」はあくまで貴方の株式投資を手助けするための道具です。貴方の投資のお役立ちツールとして末永く「わらしべ」をご利用いただければ幸いです。皆様のご検討をお祈りしています。m(_ _)m