<<日次分析ファイルの作成>>
<<日次分析ファイルとは>>
「05.株式投資の練習」で、日経平均を仮想売買し相場の大きな流れを掴む練習をしましたが、実際に株式投資をする場合には、市場全体を構成する何千もの銘柄から自分の投資スタンスに合った銘柄を探し出す必要があります。「わらしべ」には銘柄を検索するための機能が装備されています。銘柄検索には、チャートに表示されている沢山の指標を組み合わせることが可能です。
さて、「わらしべ」で株価チャートを表示したときに画面に表示されている指標の数はかなりの種類になりますので、1銘柄のチャートを表示するだけでもマックにはかなりの負荷がかかります。銘柄検索を行うためには全銘柄についてこれらの指標を検索の度に計算しなくてはならないのですが、それでは検索にかなりの時間がかかることになります。
そこで、「わらしべ」では、まず銘柄ごとの全指標を一気に計算し、ファイルとして保存します。その後の検索時には、このファイルを利用して計算済みの指標を利用します。計算済みの指標を保存したファイルを「日次分析ファイル」と呼びます。株価指標は毎日変わりますので「日次分析ファイル」は毎日作成する事になります。
日次分析ファイルの作成には少々時間がかかります。マックの性能にもよりますが、数分から数十分というところです。しかし、一度日次分析ファイルができれば、以後の銘柄検索には各種指標の計算は不要となりますので、数千銘柄から何度でも短時間で検索が可能です。また、「日次分析ファイル」に保存されている各種指標を直接一覧で表示することも可能です。本章では、日次分析ファイルの作成と指標の一覧表示機能についてご説明します。
<<日次分析ファイルの作成>>
「分析」メニューから「日次分析実行...」を選択します。
保存先を指定するダイアログが表示されますので、適当なフォルダーを指定します。
この際、日付部分を変更すると、過去の任意の日次分析ファイルを作成することが可能です(当然、該当日の株価データが格納されていなければなりません)。「わらしべ正規ユーザー専用ホームページ」にはデータライブラリとして、過去の日次分析ファイルを公開しておりますので任意の期間についてダウンロード可能です。
日次分析が始まると進行状況を示すダイアログが表示されますので後は待つだけです。時間を有効に使うために、私はいつも食事の間に日次分析を行っています。(マックの処理能力によって、6分〜20分程度かかります。でも結局食事の時間の方が長いので、あまり違いはないようです。皆さんも時間は有効にお使いください。)
日次分析が完了すると、下図の様なアイコンが作成されています。ファイル名の最後に付いている日付が基準日です。「11.より高度な使い方」に記載しておりますが、「わらしべ」には過去の日次分析ファイルを複数まとめて検索したり、自分の作成した検索条件を検証するための機能があります。そのためにも日次分析ファイルが必要になりますので、毎日の分析ファイルはしっかり保存しておきましょう。
<<日次分析ファイルを見てみましょう>>
さて、出来上がった分析ファイルのもっとも簡単な利用方法はそのまま中身を表示して見る事です。「わらしべ」には日次分析ファイルの中身を表示するための機能が装備されています。早速見てみましょう。
「ファイル」メニューから「分析結果ファイル指定...」を選択します。ファイル選択のダイアログが表示されますので、先ほど作成した日次分析ファイルを指定します。
次に、「分析」メニューの「分析結果−銘柄別(日足)」を選択します。
下図の様に、分析結果ファイルの内容が表示されます。株式で通常使用する指標には、日足、週足、月足などの区別があります。「わらしべ」では、日足と週足に対応しています。
日足とは、一日の動きを1単位として指標を計算しています。つまり始値や終値は全て今日一日の動きを表しています。
週足とは、1週間の動きを1単位として指標を計算します。つまり始値は通常月曜日の始値、終値は金曜日の終値、高値は週間の最高値といった具合です。
株価チャートを見ると分かりますが、日足では長期間の株価の動きを見るのが困難です。週足にすると数ヶ月の動きを一目で見ることができます。その銘柄の傾向を示す週足で銘柄を検索し、日足で売買タイミングを計るのが一般的な方法だと思います。どちらも非常に重要ですので、よく理解していただきたいと思います。一般的に週足は週末まで確定しないのですが、「わらしべ」では当日を週末として週足を計算する機能がありますので、週の途中でも週足ベースの指標を見ることができます(あくまで概算となります)。指標は、週末が近づくにつれて段々正確な数字になりますが、週末を待たなくても、それなりの指標が作成され週末以外でも週足を使った検索が可能です。
ちなみに、分析ファイルには日足の情報の他に、週足の情報も含まれています。週足の情報を表示するには、上図で「分析」メニューの「分析結果−銘柄別(週足)」を選択します。
内容はいかがでしょうか。明日の朝刊の株価欄がその日の夕方には見られることが分かります。
<<各種ベスト20銘柄も見られます>>
その他に明日の朝刊より先に見られるのが、上位20銘柄の明細です。
「出来高」「値上がり率」「値下がり率」「出来高増加率」の4つの指標で、各市場ごとに銘柄が見られます。
操作方法は、「分析」メニューの「分析結果−ベスト」を選択します。
結果は下図の通りです。それぞれの銘柄をダブルクリックすると各銘柄のチャートが表示されます。また、チャートが表示された状態で、「コマンド」+「Z」キーを押すと、今表示されている銘柄の次の銘柄がチャート表示されますので、チャートブックをめくるように次々とチェックできます。「コマンド」+「A」キーを押すと前の銘柄に戻ります。
次の指標を表示するには、ウィンドウ右側のスクロールボタンを押します。この例では、次は東証1部の値上がり率ベスト20、その次は、東証1部の値下がり率ベスト20、その次は、東証1部の出来高増加率ベスト20、その次は、東証2部の売買高ベスト20・・・・という具合です。
この様に、日次分析には時間がかかりますが「わらしべ」をフル活用するためにはどうしても必要な処理だと思っています。最近ではインターネットの株価情報ページも充実しております。各種情報ページと「わらしべ」を使えば、翌朝の新聞を待つこともなく、最新の情報に基づいた株価分析が可能になります。更に、実際の売買を行うためのインターネットトレードがあれば、現在一般個人が期待できるほぼ最高の投資システムが出来上がります。後は貴方が投資技術を磨くだけです。
コマーシャル:
「わらしべ」を使えば今まで翌朝にならないと見られなかった情報がその日のうちに確認できますので、じっくり投資計画を立てられます。人より先に情報をつかむことが株式投資では重要です。
マックユーザー+株式投資=「わらしべ」をご活用ください。
<<日次分析ファイルの項目説明>>
以下のような内容が表示されます。週足表示の場合は、日を週と読み変えてください。
銘柄コード 始値 高値 安値 終値 前日比 出来高 5 日平均 25 日平均 75 日平均
(注)9 RCI 13RCI T6758 ソニー 422 430 411 411 -11 138 -2% ム ┰ > 4% ヨ ↓ t 13% ∨ ↑ < +83%ム +9%∨ 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 5 6 内容は、銘柄ごとの4本値、前日比、出来高、3本の移動平均線の状態、およびRCIを表します。
移動平均線の状態は各移動平均線ごとに、左から、終値の乖離率、(1)移動平均線の過去3日間の動き(2)、終値と移動平均線のクロス(3)、移動平均線2本のクロス(4)の4項目を表します。
また、RCI(4)(5)は各日数ごとに、左からRCI値、RCIの過去3日間の動きを表します。記号の説明
(2)各移動平均線の3日間の動きを表示します。
ム・・3日間連続上昇
∧・・天井を打って反転降下
∨・・底打ち後反転上昇
ヨ・・3日間連続降下
(3)各移動平均線と終値のクロスを表示します。
┸・・終値が移動平均線を下から上へ突き抜け
↑・・終値が移動平均線の上に位置している(┸は除く)
┰・・終値が移動平均線を上から下へ突き抜け
↓・・終値が移動平均線を下に位置している(┰は除く)
(4)2本の移動平均線のクロスを表示します。
<・・短期移動平均線が長期移動平均線を下から上へ突き抜け
s・・短期移動平均線が長期移動平均線の上に位置している(<は除く)
>・・短期移動平均線が長期移動平均線を上から下へ突き抜け
t・・短期移動平均線が長期移動平均線を下に位置している(>は除く)
5日平均欄に5日と25日のクロス、25日平均欄に25日と75日のクロス、75日欄に5日と75日(注)のクロスを表示します。例えば、上記の例では(説明のため、実際の結果とは異なります)
5日移動平均線に対する本日終値の乖離幅は、-2%、平均線は3日連続の上昇、本日終値は平均線を上から下に突き抜け、25日移動平均線とは上から下へクロスしています。
25日移動平均線に対する本日終値の乖離幅は、4%、平均線は3日連続で降下。終値は、平均線の下に位置し、25日線が75日線の下に位置すしています
75日移動平均線に対する本日終値の乖離幅は、13%、移動平均線は前日を底に上昇反転、終値は移動平均線の上に位置し、5日移動平均線は75日移動平均線を下から上へクロスしています(注)。
9日RCIは、3日連続の上昇
13日RCIは、前日を底に上昇反転。
上記銘柄別の分析結果出力後、以下の銘柄を上位20銘柄検索し、テキスト形式で出力します。
A)大商い銘柄
B)値上がり率
C)値下がり率
D)出来高が急騰したもの(増加率の高いもの優先)また、前日(前週)比の下に、増減率をグラフ表示しています。値動きの大きかった銘柄が一目でわかります(添付の「分析結果画面イメージ」参照)