<<「わらしべ」による株価分析の方法>>
<<仮説作成と検証>>
1.はじめに
株価分析支援ソフト「わらしべ」は、皆様が自分にあった投資法を研究するためのソフトウェアであり、残念ながら絶対に儲けられる指標を提供できるわけではありません(最終的には、そんなソフトになればいいと思うのですが)。
それでは、「わらしべ」には、どんなことが出来るのでしょうか?
株価の動きには昔からパターンがあると言われています。このパターンをつかむために先輩たちがいろいろな指標や分析方法を苦心の末に確立されております。昔であれば、この指標を毎日算出するだけでも大変な苦労が必要でした。しかし、現在私たちはコンピュータという道具を手に入れ、複雑な計算の繰り返しを短時間に処理することが可能となりました。人間は、純粋に各種指標の意味を自分なりに解釈し、過去のパターンを繰り返す銘柄を探し出しことに専念すればよいわけです。株価分析支援ソフト「わらしべ」には、このようなパターンを研究するための機能があります。2.実績の把握
まずは、過去の株価の動きを研究するための各種指標の表示です。各種チャートを中心にかなりの数の指標を表示することができます。ただし、これらの指標を自分なりに読みこなすことが出来なければ、豚に真珠ということになります。
そこで、「わらしべ」には各種指標を毎日計算し「日次分析」ファイルとして保存する機能があります。この「日次分析」ファイルには、その日の全銘柄の各種指標と、東証1部・2部などの市場ごとに、値上がり・出来高などのベスト20が収められています。(08.日次分析を参照)また、「過去分析」により最近の値上がり・値下がりベスト20を検索することも可能です。3.仮定の作成
実績から見つけだした銘柄は、いったいどのようなチャートを描いているのでしょうか?また、各種指標はどうなっているのでしょうか?じっくり眺めてみてください。そして、それらを分析してください(ここが、一番の問題です)。それによって、こんな指標が出た後株価が値上(値下)がりするようだ、こんなチャートの形の後に値上(値下)がりするようだ、などの仮定を立てます。
4.仮定から抽出条件を作成する
まず、立てた仮定を元に抽出条件パラメータを作成します。そして、何日分かの「日次分析」ファイルを使って条件抽出を行います。過去の「日次分析」ファイルを使って抽出を行えば、その後の株価の動きをみることで条件の正当性が確認できます。これを元にさらに分析し抽出条件を調整します。
5.抽出条件の検証
いよいよ抽出条件の有効性を過去に当てはめて検証してみましょう。過去の「日次分析」ファイルを利用し一気に複数検索を行います(過去の「日次分析」ファイルを毎日全銘柄検索しますので、少々時間がかかります)。
検索が完了したら、今度は検証です。検証では、抽出された各銘柄の株価の動きを、抽出日以降60営業日間追跡します。そして、その銘柄が値上がり(売り検索の場合は値下がり)したのか、もしくは、損を出したのか(1割で損切り)を検証していきます(もちろん、あなたが寝ている間に「わらしべ」が検証します)。
この検証結果をみれば、あなたの作った条件が有効であったかどうかを確認することができます。また、日経平均の動きと比べてみるとどうでしょうか?上昇期に有効な条件とか、下降期に有効な条件などの様子も確認することができると思います。条件検索だけで100%の検索ができなくても、人間が見られる程度まで絞り込んでしまえば、後は人間の目でチャートの雰囲気をじっくり検討していきます。6.いよいよ本番へ
5)までで、作成した抽出条件を今日の「日次分析」ファイルに適用してみましょう。果たして抽出された銘柄はどうでしょうか?過去のパターンからみていかがでしょうか?後は、あなたが判断するだけです。
以上を簡単にまとめると、以下の流れになります
(1)日次分析ベスト20、過去分析などにより、株価変動パターン分析
↓
(2)パターンを抽出するための、抽出条件作成 ←─┐ ←────┐
↓ │ │
(3)何日分かの日次分析ファイルで抽出条件の調整──┘ │
↓ │
(4)日次分析ファイルの一括抽出および検証により抽出条件の検証──┘
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(5)最新の日次分析ファイルを抽出し、売買を行う7.「サンプルパラメータ」フォルダーの抽出条件サンプルもお試しください。
皆様のご検討をお祈り申し上げます!
1.複数検索とは
複数検索とは、「わらしべ」の「日次分析」ファイル検索機能を拡張したものです。1つのフォルダー内にある複数の「日次分析」ファイルを抽出条件により一括検索し、「検索結果」ファイルに出力します。これにより、作成した抽出条件が過去の実績に照らし合わせて有効であったのかどうかを検証できます。
2.複数検索用フォルダーの作成
まず、検索対象とする「日次分析」ファイルを同一フォルダーに収めます。例えば、日経平均が上昇している期間、一月間、週末(週足確定分)のみ、など組み合わせは自由です。
次に、フォルダー内に添付の「日次分析 一括指定」ファイル(複数検索用の特殊ファイルです)をコピーします。
3.「日次分析」ファイルの指定
「ファイルメニュー」の「分析結果ファイル指定」で、「日次分析 一括指定」を選びます。
注)「日次分析YYMMDD」ファイルではありません。
注)後述の検索結果の検証を行うためには、株価データベースの最終更新日から、60営業日以前の「日次分析」ファイルをお使いください。それ以後のファイルについては、検索は可能ですが、検証のためのデータが60営業日分蓄積されていないため、正しい結果が得られません。4.抽出条件の作成
「分析」メニューの「銘柄抽出実行」を選択し、「銘柄抽出条件設定画面」で複数検索を行うための抽出条件を作成します。作成した抽出条件が「買い」(今から値上がりする)銘柄を検索するためのものか、「売り」(今から値下がりする)銘柄を検索するものかを忘れずに指定しておいてください。
条件の作り方については「09.銘柄検索」をご覧ください。
すでに作成済みの「抽出条件」ファイルを使う場合は、「ファイルメニュー」の「抽出条件読込」で抽出条件を指定してください。
5.検索実行
「銘柄抽出条件設定画面」の「複数抽出実行」ボタンを押します。「分析結果」ファイルをチェックしたあと検索を開始します。お使いの機種と「分析結果」ファイルの数にもよりますが、少々時間がかかりますので、後はマックにまかせて、どこかへ遊びに行くか、寝てしまうのがよいでしょう。
また、「複数抽出+検証」ボタンを押せば、抽出に続いて、7)検索結果の検証も一括して行えます。6.検索結果の表示
検索が終わったら、「分析」メニューの「複数検索結果表示」で検索結果を表示します。
のように表示されます。この段階では、とりあえず抽出条件に該当した日付と銘柄だけが有効です。7.検索結果の検証
上記で検索した銘柄が果たして利益を上げるのかどうかを検証します。
「分析」メニューの「複数検索結果検証実行」を選択すると、上記で検索した各銘柄について、検索日より60営業日の株価の動きを追跡し、どれだけ値上がりしたかを検証します。8.検証結果の表示
検証が終わったら、再び「分析」メニューの「複数検索結果表示」で検索結果を表示します。
のように表示されます。
9.項目の説明
<<ヘッダー部>>
【勝ち= 41 負け= 17 分け= 39】【平均利回り= 87.23%】【平均利益率= 18.69%】勝ち 検索日の終値を買値として、60営業日以内に2割以上の値幅がとれたもの。 負け 検索日の終値を買値として、以後60営業日の間で利益がでなかったもの(値幅がマイナス)。 分け 上記のどちらでも無いもの(2割以下の値幅となったもの)。 平均利回り 各銘柄の利回りを平均したもの。 平均利益率 各銘柄の利益率を平均したもの。 <<明細部>>
検索日 銘柄名 買値 売値 値幅 期間 利回り 利益率 計算日検索日 抽出条件に該当した日。 買値 上記検索日の終値を買値とする(売り条件の場合は、売値を表示)。 売値 検索日以後60営業日の間で、値幅が最大となった日の終値(売り条件の場合は、買値を表示)。 値幅 買値と売値の差。(買い条件は売値−買値、売り条件では売値−買値) 期間 検索日から値幅が最大となった日までの日数。 利回り 値幅*36500/買値(売値)/期間 (同じ値幅であれば、期間が短いほど利回りは高くなる) 利益率 値幅*100/買値(売値)。利益率が20以上は赤、−10以下(損きり)は青で表示。画面が赤っぽいときは抽出条件が有効、青っぽいときは失敗と考えればよいでしょう。 計算日 検索日以後60営業日の内で一番値幅が最大となった日